特定非営利活動(NPO)法人こころのはな 設立趣旨書
講師 中島孝之氏
(脳神経外科医・大和郡山市立郡山南小学校校医)

◆第2回 子育て支援セミナー <生活習慣を通しての子育てについて> 2015年11月7日

◇『生活習慣について』
食事・睡眠・運動・嗜好品(飲酒喫煙)など、毎日の生活が健康状態に与える影響を考えます。
生活習慣病は、「高血圧・糖尿病・動脈硬化」といった、以前は成人病と言われていた生活習慣が原因となる病気で、実際にはこれ以外にも社会的な交流や家庭内の環境・人間関係についても考慮する必要があります。
成人病から生活習慣病と名称を変更したのは、成人になってから病気が出るとしても、もともと子ども時代を含め生活習慣の乱れに由来することを明確にする目的としたものです。
子どもの発育(身体的・精神的発育)の上でも、生活習慣は大切な要素ですし、また家庭内での生活の様式が、子どもの発育に大きな影響力を持つと考えられます。

◇子どもの生活習慣を考える上で考えなければならないこと

@成長期にある

身体・精神・知能のいずれもが成長していく。それぞれの成長は一定のスピードではなく、急速に発育・発達する時期や、年齢が長じてから発育が始まるものもあります。

A環境(周囲)の影響を受けやすい

*社会的な環境:家庭・教育機関・経済状態・メディア・パソコン・ゲームなど
*化学的な環境:食品・薬品・薬物(食品添加物、タバコ煙、違法薬物など)・環境汚染(水質、pm2.5、放射線、電波など)
*精神的環境:保護者・教育者・友人・印刷物・メディア・インターネット・ゲーム脳など


B子どものメタボリック症候群

食の洋風化にともない着実に増加しています。動物性脂肪摂取量が増え、全エネルギーの33%強となっています(適正は25〜30%)。
反対に穀物は33%と低く(適正は55%)、食物繊維が少なく塩分が多い。また朝食を食べない子どもが増えています。遊びの形が変わり(テレビゲーム、遊び場、危険を避けるなど)、運動量が減少して消費カロリーの減少など、メタボ体質になりがちとなっています。
来年から学校検診内容に運動能力・関節の状態をみる項目が加えられました。


C子どもの睡眠
社会全体が24時間型になってきて、子どもにとっても就寝時刻が極端に遅くなる傾向が見られます。
10歳の子どもの自然な睡眠時間は、午後9時就寝午前7時起床の10時間程度です。夜は親より先に寝て、朝は自然に目覚めるのが自然です。
幼児を連れて夜遅く外食する親、塾通いで寝不足の子どもなど昼間の注意力低下や朝食の欠食といったことの原因ともなっています。成長してから夜遅いことへの精神的な抑制・自制の欠如の原因にもなります。


C子どもとタバコ
タバコには2つの問題点があります。一つは身体的な問題で、妊婦の喫煙が子どもの身体的・精神的な発育に悪影響を及ぼします。これは妊婦本人の喫煙(能動喫煙)だけでなく、喫煙による煙を吸わされる受動喫煙でも重大な結果を招いてしまいます。
もう一つの問題点は、子どもの喫煙で、保護者、特に母親の喫煙習慣は子どもの喫煙を助長し、未成年喫煙を増やします。未成年喫煙はタバコの直接の健康被害に加えて、喫煙グループとの交流や未成年者を利用しようとする大人の恰好な獲物となり、危険ドラッグ・覚せい剤・犯罪行為へと導かれる原因となっています。


◇まとめ
○子どもは大人の小型ではありません。
  成人に比べ影響に取り込まれやすい。影響が大きく出やすい。

○一度形成されてしまったことは、非常に非常に治りにくい。
  精神的・身体的な影響が強く、長く続くことになる。

○影響力の排除が難しい。反対に必要でもある。
  子どもの成長には、影響力(しつけ、教育など)が必要。

○悪影響について、本人・保護者・教育者が隠そうとすることがある。

○少年期・青年期になると、本人の反発が強くなって指導や矯正が難しい。











          

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